世界情勢





[-] 1. 北野幸伯氏「中国に勝つ日本の大戦略」

世界情勢に関して、 大変読みやすく・わかりやすく・納得の行く本に出会いました。

世界情勢、と言うと、一方では分厚く難しい大著が。

他方で、陰謀論的・感情論的・煽動的なトンデモ本、の2極しかない印象でしたが、 北野氏の本は、

…からです。

[-] 1.1. 「平和ボケ」と言われて嫌味を感じない理由

石原某太郎氏が「日本人は平和ボケ」と言うと何故かカチンと来るのですがw、
北野氏が「日本人は平和ボケ」と書かれても私は全然カチンと来ません。

それはなぜかと言いますと、 北野氏は、国民目線で「日本国を良くするには、ではどうすればよいか」 を具体的に提言されているからです。

他方、ただ上から目線で「お前は平和ボケ」と言われれば、 それは「カチン」と来るでしょうね…。

[-] 1.2. 戦略の階層

北野氏が度々触れる「戦略の階層」は科学的・本質的に正しいです。

戦略の階層とは、

  1. 世界観
  2. 政策
  3. 大戦略
  4. 軍事戦略
  5. 作戦
  6. 戦術
  7. 技術

とレベル分けした国家戦略(含む戦争)の捉え方です。

これは、「暗黙知の理論」で有名な化学者 M.ポランニーの言う「層状の宇宙」 の一環として捉えることが出来ます。

作戦で勝ち大戦略で負けた旧日本軍から反面として学ぶことは多いです。

[-] 1.3. 徹底的にリアル

北野氏は、一部右翼勢力の願望的政策(日本も核を!など)にも反対されています。 こう言った氏の洞察には、戦略の階層の考え方が貫徹しているものと思われます。

氏はこれを「家族もうんざりするほどのリアリスト」とやや自虐的にw おっしゃられていますが、私はリアリスト = 科学、と考えていますので、 全く持って正しい態度であり、私も見習いたいと思っているところです。

[-] 1.4. メモ

[-] 1.4.1. イスラエル・ロビー、チャイナ・ロビー

現在のアメリカにおいて、「チャイナ・ロビー」のパワーは、「イスラエル・ロビー」
を超え、世界一強力になっている
kindle版 loc.2289

[-] 1.4.2. 善悪論ではなく勝敗論

kindle版 loc.2604

[-] 1.4.3. 外的バランシング

劉邦は、地道に「外的バランシング」(同盟関係増強)をつづけ、最後に一勝して前漢、
後漢あわせて四〇〇年以上つづく大帝国を築き上げます。
kindle版 loc.2655

[-] 1.4.4. 日米安保は日本最大の「資産」

kindle版 loc.2885

[-] 1.4.5. 感情論を超えて

戦略的に考え、感情を超える努力をしなければなりません
kindle版 loc.3003

[-] 1.4.6. 落ち目のイギリスが、勃興するドイツに勝てた理由

kindle版 loc.3114

[-] 1.5. 余談: Kindle って良いですね

余談ですが、Kindleに限らず電子書籍って良いですね。

  1. アンダーラインを引いたところを後で参照できる
  2. 本棚の場所を取らない
  3. 電車の中でいつでもさっと読める(私は Android 版で読んでるので) 痛勤列車(w)も苦になりません。

私的には、1. がとても大きいです。後で参照することで、 記憶がサァーっと蘇るからです。






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